西京医師会と懇談  PDF

1月26日 ホテル京都エミナース
在宅推進―国の政策的ねじれに疑問

協会は西京医師会との懇談会を1月26日、開催した。地区医師会から12人、協会から4人が出席。西京医師会の今井史朗理事の司会で進行した。
塚本忠司会長は「働き方改革やサルのクローンが話題になっている。科学の発達と医療費の抑制、医療と介護の同時改定など、協会には医療の実態を社会に発信してほしい」とあいさつ。続いて、垣田理事長があいさつ、各部会からの情報提供の後、鈴木副理事長から「診療報酬・介護報酬同時改定」、垣田理事長から「医療提供体制・保険制度改革の現状と各地区の医療課題」について報告の後、意見交換に入った。
地区からは「国がどうしたいのか。例えば、医薬分業をしたいのか、したくないのか。門前薬局に集中させたいのか、させたくないのか。在宅医療をしていると平均点が高くなる。平均点数を下げようと思えば、在宅をやめればいいのだが、在宅をやらせたいのか、やらせたくないのか」と発言。これに対して協会は「基本的には、急性期入院から、回復期に、療養病棟に、そして在宅に切替え、医療費の削減につなげたい。在宅医療を評価もしたいが、改定率の総枠の縛りもあり、要件を付け算定しにくくする矛盾した形になっている」と回答。また地区からは、「在宅医療は、家族が無償で働いているから安く上がるが、今後独居者が増え、家族がいても病気や障害者等対応できないと結局高くつくようになる。在宅にしたら本当に医療費が削減できるのか疑問がある。政府はサ高住などにというが、経済的余裕がないと入れない」との学者のコメントが紹介された。
働き方改革に関連して、36協定と研修医の労働について、地区は「我々からすれば研修医時代に5時で帰るというのは、信じられない話だ。公立や大病院等残業代の支払えるところから払わされている感じがする。これが、裾野にまで広がると大変なことになる」と発言。これに対して協会は「24時間拘束の医師の労働を時給換算すれば高額になり、支払えない『だから、働いてくれるな』しかないが、それでよいのか。1000万円以上の所得のある高度プロフェッショナル制度が創設され、医師もそれに該当して24時間自己責任で働くことになるのではないか。研修医もそこに含めるつもりかもしれない。医療側の私達が物を申さねばならない。医師も36協定を知らないでは通らない時代になりつつある。情報を発信しながら、会員に役立つように議論をまとめたい」と述べた。
最後に福本和生副会長から「ほとんどの会員は日々の診療に没頭しているが、今次同時改定より深刻な問題が多々あり、知らないでは済まされない。今後とも情報提供を願いたい」とあいさつがあり、閉会した。

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