私の趣味 enjoy walking!  PDF

近山 達(乙訓)

 開業して間がない私にとって、お金をかけずにできる趣味として1年前からwalkingを行っている。右手で自分の腹をさすりながら話す癖を当院のスタッフに指摘されたことがきっかけとなった。ポッコリとしたお腹をなでるとなんとなく気持ちが落ち着くため、自分でも無意識のうちに手をもっていくようになっていた。元々スリムではない上に、開業後のストレスと運動不足ですっかりメタボ化した体型をどうにかしたいと思っていたところでもあった。“忙しくて歩く時間などない”と言い訳する糖尿病患者に対して、“時間を作ってでも歩くように”と自身のことを棚に上げて忠告している自分に、日頃から後ろめたさを感じていたこともあり、重い腰を上げて、まずは昼間の空き時間に診療所の近辺を歩くことから始めてみた。
 長岡京市の市街地半径約500メートルの範囲を週に2、3回、30分ほど歩くだけだが、それでも今までの自分からは想像できないことで、多少意気込んで取り組んだつもりであったが、狭いエリアを繰り返し歩いているうちに、1カ月も経たず飽きが来てしまった。数カ月続けてみても体重は一向に減らず、一時は止めようかとも考えたが、思い切って歩く範囲を半径2キロくらいに広げ、歩く時間も1時間に延ばしてみたところ、通ったことのない道や知らない場所が多いことに気づいた。長岡京市内の病院で6年間勤務し、過去には5年間住んだこともあり、慣れ親しんできた街だと思っていただけに意外であった。
 新たに出会う街並みの景色を楽しみながら市街地周辺を練り歩く度に長岡京市の地図が少しずつ頭の中に刻み込まれていき、まるでパズルのピースをはめ込んでいくかのようで、今では時間を惜しまず毎日walking を行っている。walking を行うにはコースを決めず自由に道を選びながら歩くのが秘訣である。そのことを患者さんにも伝えながら、私自身も作りかけのパズルを完成させるべく、これからも続けていきたいと思っている。

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