9月23日に開催された第1回目では、意見聴取シート(左表)No1の項目で市当局が「身体、知的、精神の相談部門を一体化することで、高次脳機能障害者支援および発達障害者支援の機能も加え、障害のある方の専門相談のワンストップ化」「障害福祉コンシェルジュを新たに配置」「どこに相談すればよいかわからない人の第一歩として、専用電話等による総合ホットラインを新たに設置」することを掲げた。さらにNo2では「どのような時に一体化後の施設を利用していただけるかをわかりやすく提示し、利用者がスムーズに利用できる工夫を行う」とした。
これに対し有識者からは、精神・身体・知的それぞれの当事者の相談の入口は区役所・保健福祉センターが担っている。一体化施設に直接相談にくる市民像は不明確であり、むしろ区役所・保健福祉センターの機能強化が先決。市民の動線は市民目線で考えるべきだとの意見が出された。
No3では「相談者の支援内容等の情報を共有する」「障害児施策から障害者施策へ速やかに引き継ぐ」こと、「児童分野」と「精神保健福祉分野」の「担当職員がより密接に連携することにより、アルコール・薬物・ギャンブル依存症を抱えている親による児童虐待に対しては自助組織等に積極的につなぐ」ことを挙げた。
これに対し有識者からは、障害児施策から障害者施策へのシームレスな移行策の必要性は理解できるが、学校・教育現場との連携の視点がないのではないか。乳幼児期から学齢期への移行も大きなバリアがあるのが現実だとの意見が出された。
No4では3施設の診療部門を一体的に運用することで、「それぞれのノウハウや経験を活かした、専門的かつ効果的な診療体制を構築し、課題となっている児童精神科の発達障害診断までの期間の短縮等にも寄与する」とした。
これに対し有識者からは、現状の診断待機期間の長さは異常事態だと厳しい意見が出された。京都市は歴史的に児童福祉センターが取り組んできているが、国の仕組みは必ずしも公での診断を義務化しているわけではなく、他所では医師も診療所もないところもある。公的機関で抱えるのではなく、地域の医師と連携する仕組みがつくっていけないか、と発言。有識者から制度上、民間医療機関は採算も含め、対応が難しい状況だと指摘した。
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