年末調整事務の留意点  PDF

① 給与所得控除額について
 平成29年分以降、給与等の収入金額が1,000万円を超える場合の給与所得控除額は220万円の定額とされた。
② 扶養控除等(異動)申告書について
 「平成29年分扶養控除等申告書」の提出がない場合(乙欄適用)には、年末調整することはできない。正社員・パート・アルバイトを問わず「扶養控除等申告書」を受理する必要がある。平成29年中に扶養親族等の異動があった場合には「扶養控除等申告書」に変更の内容を記入しなければならない。
 16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)については、扶養控除を受けることはできないが、住民税に関する事項の欄には、記入する必要がある。
 19歳以上23歳未満の扶養親族については、特定扶養親族の欄に○を付ける(扶養控除の額63万円)。居住者の控除対象配偶者または扶養親族が障害者である場合には、障害者の欄に○を付ける(障害者控除の額:一般障害者27万円・特別障害者40万円・同居特別障害者75万円)。

(注)平成29年分扶養控除等(異動)申告書について
 マイナンバー制度の導入に伴って、平成28年1月以降に受理する「扶養控除等申告書」に個人番号(マイナンバー)を記載することが義務づけられた。次に該当する場合は個人番号を記載しなくても差し支えないものとされている。
 ア.給与支払者と従業員との間での合意に基づき、従業員が扶養控除等申告書の余白に個人番号については給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない旨を記載していること。
 イ.給与支払者がすでに提供を受けている従業員等の個人番号を確認した旨を扶養控除等申告書に表示していること。
 ただし、平成29年分源泉徴収票を市区町村に提出(期限平成30年1月31日)する際には、個人番号を記載する必要がある(国税庁等のホームページ参照)。

③ 国民年金保険料・国民年金基金掛金について
 国民年金保険料および国民年金基金の掛金について社会保険料控除の適用を受ける場合には、「保険料控除申告書」に支払額を記入するとともに証明書を添付しなければならない。2年分の国民年金保険料を前納したときは、納めた年に一括控除する方法と各年において控除する方法を選択適用することができる。
④ 後期高齢者医療制度の保険料について
 従業員が生計を一にする親族の後期高齢者医療制度の保険料を口座振替等により支払った場合には、社会保険料控除の適用を受けることができる。なお、後期高齢者医療制度の保険料が年金から天引きされている場合には、年金受給者が社会保険料控除の適用を受けることになる。
⑤ 生命保険料控除について
 平成24年分以後、一般生命保険料控除(最高5万円)と個人年金保険料控除(最高5万円)、介護医療保険料控除(平成24年1月1日以後締結等したもの)との合計適用限度額が12万円とされた。
 平成24年1月1日以後に締結した契約等については、一般生命保険料控除(最高4万円)、個人年金保険料控除(最高4万円)、介護医療保険料控除(最高4万円)を受けることができる。
 したがって、生命保険料控除は、平成23年12月31日以前に締結した契約等に係るものと平成24年1月1日以後に締結した契約等に係るものに区分し計算することになる。なお、新旧両方の保険契約を締結している場合には、納税者の有利な方を選択することができる。
⑥ 地震保険料控除について
 地震保険料を支払った場合には地震保険料控除の適用を受けることができる(最高5万円)。経過措置として、平成18年12月31日までに締結した長期損害保険契約(保険期間10年超、満期返戻金有、平成19年1月1日以降契約内容を変更していないもの)については、従来と同様に控除を受けることができる(最高1万5千円)。
 地震保険料と長期損害保険料の両方ある場合には、控除額は合わせて最高5万円。
⑦ 個人の府民税および市民税の住宅借入金等特別税額控除制度について
 住宅借入金等特別控除の適用がある者(平成21年から平成33年12月31日の間に入居する者に限る)について、所得税の額から税額控除することができない住宅借入金等特別控除の額がある場合には一定額を住民税の額から控除される。
 適用を受ける際には、源泉徴収票の摘要欄に「居住開始年月日」、「住宅借入金等特別控除可能額」を記入する必要がある。

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