協会は、北部の会員医療機関を対象に「医院のための雇用管理&レセプト審査対策講習会」を10月26日、舞鶴医師会との共催で開催した。参加者は16人。
雇用管理の講習では、従業員定着のポイントとして、年次有給休暇、賃金制度、改正パート労働法を中心に、桂好志郎社会保険労務士が解説した。
近年、従業員の定着に悩む医院は多い。全国的に看護師不足と言われ、民間の有料職業紹介ビジネスの過熱等も問題となっている。桂氏は、労働者に一番重視される項目が休暇の取りやすさという調査結果を紹介し、従業員定着のために、正規かパートかにかかわらず全従業員が年次有給休暇を実際に取れるようにしておく必要性を示した。また、勤務状況で異なる付与日数や計画的付与(労使の書面協定により、年次有給休暇のうち5日を超える部分を指定して付与できる。10日であれば5日までが対象)の活用等を解説した。
桂氏は、賃金は「少しでも少ない方がいい」ではなく、「働き手のやる気を引き出すため」にうまく使うべきだと強調。実際の相談事例で、従業員間の人間関係のトラブルの背景に、正職員とパート職員の賃金待遇の差に対する不満があった例を紹介した。また、パート労働法が改正され、パートタイム労働者の公正な待遇の確保が社会的に求められている中、パート職員にも納得して働いてもらうことが医院にとっても利益になるとした。その他、割増賃金の計算で留意すべき点等を解説した。
最後に、桂氏より「従業員とのコミュニケーションは、雇用契約書から始まる。しっかりした雇用契約を書面で結び、安心して働ける職場と従業員に思ってもらえることで信頼関係が築け、より良い医院経営に繋がる」とアドバイスした。
レセプト審査対策の講習では、審査に関する基本的な仕組み、最近の審査事例や再審査請求をする時のポイント等を協会事務局が解説・紹介し、12月に舞鶴で開催する公費負担医療の説明会を案内して講習会を締めくくった。
MENU