協会は、コミュニケーション委員会を各地区および会員との意見、あるいは情報を交換することを目的に、年2回開催している。2017年度は第1回目を10月21日に開催。地区医師会から16人、協会から6人が出席し、松本代議員会副議長の司会で進行した。
協会からは、「診療報酬・介護報酬同時改定」「医療提供体制・保険制度改革の現状と各地区の医療課題」をテーマに報告を行った。
診療報酬・介護報酬同時改定について、各委員からは、「遠隔診療については不安がある。診療の基本は対面診療であり、そこを崩してはならない」「遠隔診療で患者の顔色がどこまでわかるのか。触診もできない」など、現在、中医協で議論されているICTを用いた医療に慎重な対応を求める意見が多数出された。
後発医薬品については、「現場では、後発医薬品の欠品や納品が遅れたりしている。こういった供給状況を国側はしっかりと把握しているのか」「患者自身も後発医薬品について調べて用紙を持ってこられるが、後発医薬品の効果や副作用の問題などを調査して公表してほしい」など、国が推し進める後発医薬品の普及促進を疑問視する声が挙げられた。これに対し協会からは、「中医協の中でも薬価専門部会等で議論されている。国側もどこまで実態を掴めているかというと、ほとんど掴めていないのではないか。後発医薬品の認可についても非常に少ないデータで決めており、添加物等も公表されていない。診療報酬で普及を誘導するのではなく、効果や副作用について調査をし、公表をしなければ、根本的な問題は解決しない」と指摘した。
医療提供体制・保険制度改革の現状と各地区の医療課題については、「医師の絶対数が足りない。地元の医療提供体制が不足している。数字だけを見るのではなく、その地域の現状を把握して支援してもらいたい」「これから住民も高齢化し、在宅医療の需要が増す一方で、医師自身も高齢化し、その需要に対応できるか不安を抱えている」など各地区の実情が報告された。これに協会は、「それぞれの地区で問題を抱えており、それを行政に伝えていかなければならない。今後の地区懇談会でも積極的に先生方のご意見を頂戴したい」と述べた。その他にも、「入居費用が非常に高額な介護付き有料老人ホームが増えてきている。施設によっては、本人の意思と関係なく介護サービスを提供され、莫大な自己負担も生じている」と施設側の営利的な対応を問題視する意見も出された。
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