最新の受験状況と偏差値上昇の鍵を解説
協会は9月7日、中央受験センター講師の若林良彦氏を招き、医学部受験対策セミナーを開催した。前半は若林氏より医学部受験の傾向と対策を解説し、後半は個別相談に応じた。
若林氏は、まず、20~30年前の受験状況と比較し、私立医学部の合格レベルが上がってきていることを示した。私立医学部の1990年度と2018年度偏差値推移では、大阪医科大学で58から69、関西医科大学で56から67、近大医学部で52から65、兵庫医科大学で53から63まで上がっていることを紹介した。最近の私立医学部入試では、過去問を解いているだけでは太刀打ちできない問題も出題されており、大学別の傾向分析がより重要になると説明した。
次に、国公立医学部合格レベルについて情報提供した。センター試験得点率85%、二次試験偏差値65の場合、京大工学部の合格率は6~7割であるが、地方の医学部になると倍率が高くなるため合格率は2~3割程しかないと説明。また、京大医学部は、センター得点率95%でも二次試験で得点できないと不合格になることもあると述べた。出身高校別の合格者では、灘、東大寺、甲陽、洛南、西大和、洛星など特定の超難関中高一貫校が上位を占める現状を紹介した。医学部合格は、国公立か私立かにかかわらず狭き門であると改めて強調した。
では、医学部合格を目指す受験生はどう対策すれば良いのか。若林氏は、医学部合格に必要な学力は「基礎学力」「応用力」「テクニック」で、特に「基礎学力」が重要と説明。偏差値60~65の受験生がそれ以上レベルアップできないのは、この「基礎学力」を軽視しているからと指摘。過去問ばかりを解き、回答パターンを覚えるばかりで、当日の試験で応用がきかず失敗する受験生の例を示した。「基礎学力」は単に教科書の基本問題が解けることではなく、物事の本質を見極める力。この「基礎学力」があってこそ、「応用力」「テクニック」が磨かれ、偏差値70、さらに75まで伸ばすことが可能になるとアドバイスした。
協会は、随時医学部受験に関する相談を承っており、お気軽にご相談いただきたい。また、本紙に同封している案内チラシもご参照いただきたい。