個人の尊厳守る社会を 愛知で医療研究フォーラム開催  PDF

保団連

 保団連医療研究フォーラムが「一人ひとりの尊厳を守る社会をめざして―医療人に求められること」をテーマに、10月8日と9日、愛知で開催された。参加者は826人となった。

 開催初日に行われた記念企画では、ノーベル物理学賞受賞の益川敏英氏と諏訪中央病院名誉院長で作家の鎌田實氏が対談。「今をどう生きる」をテーマに、子育て論や科学との向き合い方、平和への思いなどを語った。
 益川氏は、宿題はしない、授業は聞かない子どもだったと、少年時代のエピソードを交えつつ、図書館の本に夢中になり、科学的探究心が培われたことを述べ、「子どもの好奇心、探求心をくすぐる手助けは必要だが、その後は子どもの自主性に任せたほうがよい。子どもが自らの探究心で育つ能力を信じて」と語った。また、「科学研究を戦争に利用するのは断固反対」と熱く語り、防衛省予算での研究募集の危険性を指摘。科学者への自覚が求められるとした。
 鎌田氏は、東日本大震災被災者への支援やイラク難民キャンプでの支援などをスライドで紹介。武力に武力で対抗しても決して平和は訪れないと指摘。ある難民キャンプで医療支援を行った際に、キャリアのある医療者も多くいて医療支援に参加してくれたエピソードを紹介し、そうした支援の輪を通じて「平和」の追求を行っていきたい。「聴診器でテロと戦う」と思いを語った。
 翌9日には、午前中に分科会が開催され、京都から垣田さち子理事長が「地域包括ケアと通所リハビリテーション」、関浩顧問が「自院で経験した副腎インシデンタローマの3例」、山本昭郎環境対策委員が「京都府下でのPM2・5測定」、宇田憲司理事が「裁判事例から学ぶ感染症での医療安全対策・注射処置を中心に」を発表した。

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