第48回衆議院選挙が10月10日公示され、22日に投開票される。本紙が発行される10月25日には今後4年間を委ねる政権が決まっている。自民・公明の与党と、希望の党・日本維新の会、立憲民主・共産・社民党の3勢力が争う構図である。
民生に関しては、消費税増税の可否は別として、各党とも幼児教育の無償化を訴えている。各党の公約やマニフェストに掲げられた社会保障に関する事項に、違いはあまりない。
医療界は、度重なる医療制度の改変、診療報酬の改定で混乱、疲弊している。我々協会会員にとっての関心事である医療・介護に関しては、立憲民主党だけが診療報酬・介護報酬引き上げを公約に掲げている。医療・介護の自己負担軽減や、保険料軽減・値上げ反対を公約に掲げているのは、立憲民主・公明・共産党だけである。
高齢化と医療の高度化による社会保障費の増大が財政悪化の主因であり、できる限り抑制すべき、という政府見解に沿った世論が、大企業であるマスコミにより誘導されている。
医療・介護の公的支出削減を目的に、特定健診では生活習慣病予備軍を抽出し保健指導に介入し、介護予防・日常生活支援総合事業ではフレイルに介入し健康寿命を延ばそうとしている。自助努力と、共助・ボランティア頼り、そして民間企業の参入である。公助はない。
人は病気や、高齢で手助けがいるとき、必要な医療や看護・介護を望めないと安心して生活ができない。治癒力や健康を維持しようと自助努力する意欲はなくなる。
高齢者が将来を心配せず暮らせる社会でないと、働き盛りも将来の生活が不安である。消費を控えて貯蓄するので、経済は活性化しない。わが子の未来が見通せない社会だと、子どもも作らない。少子化はとどまらない。子どもたちも自分の将来が見通せないと大志を抱けず、日本の将来が暗くなる。
日本維新の会は、年金支給年齢の段階的な引き上げと、高齢者の「働く、学ぶ」の支援・高齢者の雇用創出を公約に掲げている。選挙後どのような具体的提案をするであろうか?
自民党は、全世代型の社会保障を構築する、というが、医療・介護・福祉、特に高齢者には全く触れていない。
当選した国会議員たちは、少子化対策は当然のことだが、社会保障、特に医療・介護問題、高齢化問題に真剣に取り組んでもらいたい。
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