いま、安倍政治に対する
選択肢が求められている
16年参院選において、32の1人区のうち11の1人区で野党統一候補が勝利。得票率などからみて敗北した選挙区でも前進しており、安倍政治に代わる選択肢への国民の期待が顕在化したと言える。
これに対し、東京都は、新自由主義の受益者層が増大・住民の2極分解で自民党票増大、自民・民主の逆転がおこった地域である。この東京での参院選自民党大敗の要因は、共謀罪強行採決、加計学園、森友問題にみられる行政私物化への怒りの爆発である。確かに背後には、安倍政治の2本柱=新自由主義と安保法・改憲問題への怒りと不満が鬱積しているが、その爆発にまでは至っていない。
その証拠に、自民党は、地域特性に関係なく都内全選挙区で満遍なく票を落とし、高所得層居住地域でも低所得層居住地域でも減少に差がない。
一方、野党共闘派は全都レベルでの共闘ができず伸び悩んだ。その結果、安倍不信の受け皿となり得なかった(共産党2議席増・得票率現状維持、民進党激減、社民党議席0)。都民ファーストの躍進は、安倍政治に対する幻滅の深さと、対抗軸の欠如の裏返しであり、安倍政治に代わる選択肢として選ばれたわけではない(7月24日付毎日世論調査(安倍一強について):自民党の安倍に代わる人31%、野党から25%、新しい政党23%、安倍続投7%)。