安倍政治に代わる政治の選択肢・対抗軸が求められている。7月の都議選はその切実さを示したが、安倍政治に代わる選択肢を示すことはできなかった。「選択肢」には二つの条件が必要である。一つは、「対抗する政治を実現する担い手の存在」、もう一つは「対抗する政治の構想(中身)」である。協会と福祉国家構想研究会は、09年以来、新自由主義政治と軍事大国化に代わる対抗構想づくりで協働し、社会保障憲章・基本法、医療、財政、教育、雇用、安保のない日本といった分野での成果をまとめ公表してきた。しかし現実は全く逆の方向に動き、日米共同作戦、安倍九条改憲、アベノミクスといった事態が現実である。今は、その現実から出発して終着点に接近する道を探らねば、会員や国民の切実な期待に応えることにはならない。「対抗する政治実現の担い手」「対抗する政治の構想」、この二つの課題にどう立ち向かうか。その問題意識のもと7月29日に開催された講演会から、渡辺治一橋大学名誉教授による講演の概要を紹介する。
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