日々の記帳で医院経営の把握を 税務記帳講習会開く  PDF

 協会は、山口稔税理士を講師に迎え、5月25日に「税務記帳講習会」を開催した。まず、記帳は確定申告に必要となる「青色申告決算書」や「収支内訳書」を作成するために必要不可欠で、医業(事業)に関係する収支を家計用と区分して正しく記帳することが大切であると説明。所得税とは、その年の1月1日~12月31日の1年間に得た所得に対して課税される税金で、利子・配当・不動産・事業・給与・譲渡・一時・雑・退職・山林の10種類に区分される。記帳するにあたり、所得税区分ごとに通帳を分けて管理するのが良いとアドバイスした。
 基礎資料となる金銭出納帳、銀行帳の記帳練習も行った。勘定科目の内容と仕分け、棚卸の重要性、決算月をまたぐ薬品代、2カ月遅れで振り込まれる社会保険診療報酬、未収金の計上方法なども詳しく解説した。
 具体的な注意点として、接待交際費の領収書の裏には誰と行ったか書いておくこと。旅費交通費については、従業員の所得を計算する際に、従業員の通勤費は非課税になるため、分けて記帳すると良いなどを挙げた。
 青色申告のメリットは節税できる点。一つ目は、専従者給与が出せることで、院長の生涯財産が減った分、相続税が少なくなること。二つ目は、年間の所得金額から65万円を控除できる青色申告特別控除が利用できることとした。
 最後に、申告を白色にするか青色にするか、措置法26条経費を取るか否かの選択については、どちらが有利か実額経費を計算して判断すべきとして、まずは、1カ月細目に記帳して経費を把握し、経費になるか分からない場合は、税理士に確認することなどをアドバイスした。
 協会では、簡易な記帳書類として「窓口収入(現金)日計ノート」「出入伝票」の使用を推奨しているので、是非ご利用いただきたい。

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