発達障害診断の待機問題にも言及  PDF

 実行委員会は、構想が合築により身体・知的・精神障害の「重複やはざまへの対応」が可能となるとの説明に対し、疑問を投げかけた。
 これに対し市側は、例えば市リハセンは身体障害中心の対応だが、重複障害への対応の相談にも乗る必要がある。合築によって連携しやすくなり、相談者のニーズにも対応しやすくなるとの考えを述べた。
 また合築によって障害のある子どもが大人になるまでの「切れ目のない支援」が可能となるとの説明に対し、実行委員会は「例えば18歳以下の通所支援の窓口は児童福祉センターが担い、18歳以上は行政区の保健福祉センターが担っているのが現状。にもかかわらず3施設合築・一体化で『切れ目』がなくなるのはなぜか」と説明を求めた。これに対し市は、確かに指摘のような違いは存在している。3障害+児童が一緒になると様々な連携が図れる。その中で児から者へうまくつなげる役割を積極的に見出し、充実したいと述べた。
 さらに重複障害の方の「相談窓口の利便性」向上との説明について、現状、身体・精神の相談窓口は基本的に地域の保健福祉センターであり、市リハセンやこころではない。合築・一体化でなぜ利便性向上につながるのかも問うた。これに対し市は、区役所は医師等の専門職員の配置がなく、既存施策に関する相談窓口。市リハセン・こころの健康はより専門的な知識を有する相談窓口であり、一体化によって障害特性・児童の福祉を熟知した専門家が配置でき、利便性が向上するとの考えを述べた。
 構想が発達障害診断の待機について、合築・一体化で期間短縮に寄与するとしていることについて、実行委員会は発達検査の待機も深刻。待機問題の本質は人員不足問題。医師も含め専門職の人員増なしに解決せず、合築とは直接関係ないのではと問うた。市は、合築そのもので期間が短縮すると考えているわけではない。診断・検査待機の解決は大きな課題である。今年度できるはぐくみ室との連携・協力を含め、発達支援の在り方を考え直すべきときではと考えていると述べた。

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