協会は、2016年度第2回コミュニケーション委員会を4月22日に開催した。地区医師会から17人、協会から7人が出席し、岡田代議員会議長の司会で進行した。
協会からは、「次回改定の動向と協会(保団連)の改定要求について」をテーマに、18年度診療報酬・介護報酬同時改定に向けて、現在中医協で検討されている項目について報告を行った。各委員からは、「今後、在宅医療・介護が重要になってくる。そういう流れであるとは思うが、在宅点数における算定要件等が複雑すぎてわからない。もう少し単純化できないか」「実際に診療でかかっている手間や時間が技術料等に反映されていない」など、保険点数への不満・矛盾を指摘する意見が多数出された。
具体的には、外来管理加算について、「小児科において、喘息の患者に吸入をすると外来管理加算が算定できなくなる。外来管理加算はいつでも算定できるように求めてほしい」という意見が出された。また各科から「処置等をした場合に、その点数が外来管理加算より低い時もあり、矛盾を感じる。時間のかかる処置が日常の診療の中で結構あるが、その割には点数が低かったり、すぐ終わる処置の方が点数が高かったりと矛盾がある」等の意見が出された。
在宅医療については、「誰もが在宅医療をやれる仕組みにしないといけない。強化型支援診など複雑すぎる。もっと単純化して、考え方を変えていかないといけない」「本当に国が考えているような在宅医療ができるのか。綾部・福知山・舞鶴はマンパワーが足りない」など国が推し進める地域医療構想についても疑問をもつ声が挙げられた。これに対して、協会からは、「厚労省としては、在宅を広げていきたいし、在宅をやっているところへ点数をつけたい。しかし、財源が必要になる。在宅を広げたいが、お金はかけたくないということで、いろんな要件をつけながら在宅を進めるという矛盾した態度」と指摘した。
また、遠隔診療の問題については、「医師会も反対しているとおり、原則は対面診療であるべきで、遠隔診療はそれを補完するという位置づけ。厚労省は初診から遠隔診療でもかまわないという見解を出しているが、それはやはり認められない」と強調した。その他にも、「改定ごとにレセプトへのコメントの付記が求められ、事務作業が多くなってきている」「多剤(7種類以上)投与についても、現在の減算規定に反対してほしい。増点してほしいぐらいだ」等、現行制度に対する批判的な意見が出された。他方で、「保険医協会が、保険点数についてレクチャーをしてくれることを大変ありがたく思っている」「点数の改定の時には、いろいろ勉強しているが、今後も保険医協会の勉強会に参加したい」と協会に期待をよせる意見も出された。
最後に委員会任期満了につき、岡田議長、茨木副議長から御礼およびあいさつが述べられ、会を締めくくった。
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