京都保険医新聞が3000号という一つの節目を迎えた。
1949年(昭和24年)10月30日に「京都府保険医協会雑報」として創刊した。創刊号はガリ版で刷られた、手作り感のあるもので、様々な変遷を経て今のような新聞の姿になり、3000号を迎えた。
この直近20年間の紙面では、新自由主義に基づく「構造改革」に対峙し、対抗構想としての「社会保障基本法」のキャンペーンを柱に様々な問題を取り上げてきた。現在、国は社会保障の基本を自助、共助に置き換え、公的責任を後退させた社会保障の考えのもと、医療・介護制度の大きな転換を推し進めている。また、自由開業制の見直しや保険医の定数制など、医師の在り方そのものを変えていく政策が進められようとしている。会員各位に伝えなければならない情報が溢れかえっている中、限られた紙面で十分に伝えられているか心配な面もある。またこういった情報を伝えるためには、どうしても文字ばかりの紙面になってしまい、このことがさらに会員各位に新聞を読んでいただけなくなるのではないかというジレンマもある。
機関紙の永遠のテーマかもしれないが、いかに読んでいただける紙面づくりができるかが今後の課題である。年2回発行している新春・銷夏特集号では多くの会員投稿をいただけるようになったが、通常号においてもより投稿を募るなど、会員各位が新聞に関わっていただけるような企画が必要だと考える。また、ホッと一息つけるような面白い企画、連載も必要かと思う。
紙媒体としての新聞は今後も必要であり、大切であることは確かである。しかし現在は新聞という紙媒体そのものが苦戦をしている時代だ。ネットなどでは多くの情報が溢れている。このような状況の中、保険医新聞に求められているものは、真実をしっかり見極め、的確にかつ迅速に会員各位に情報を提供するとともに、保険医協会の主張を伝えていくことだ。今後、紙媒体である新聞と、電子媒体とうまく連動させ、今までの新聞という枠組みを超えた新しい京都保険医新聞にしていかなければならないと考える。