1月14日 ガレリアかめおか
提供体制に課題多い在宅医療
協会は1月14日、亀岡市・船井医師会との懇談会を開催した。地区から17人、協会から6人が出席し、亀岡市医師会の森戸俊典副会長の司会で開会した。
冒頭、同会の藤原史博会長より「本日は何年かぶりの寒波だが、この寒さと同じように厳しい時代が到来するといわれている。地域医療ビジョンの中間案が示され、今後、行政からさらに多くのことを要請される時代になるだろう。今でさえ、多くの役割を果たしている会員の先生方がやっていけるのかと不安になる。山積する課題が社会情勢と結びついている。日ごろから、患者の立場、開業医の視点で検討し、保険診療のあるべき姿を提言してきた保険医協会の先生方から貴重なご意見をいただける大切な会だ。最後までご討議いただきたい」とあいさつされた。続いて協会の垣田理事長があいさつ。協会各部会の担当理事から各部会の報告を行った後、意見交換に移った。
意見交換では、南丹医療圏における在宅医療の問題についての悩みが出された。2025年に向けてどう増やすか行政から意見を求められたが、現在、在宅医療に取り組んでいる先生は手一杯になっており、頭の痛い問題となっている。一方で高齢者施設が多いため、在宅医療のニーズを国の推計値通りとするのではなく、地域の実態にあったニーズで把握する予定であることを報告された。
これに対し協会からは、レセプトデータを使って医療の必要推計値を算出するから地域の実情に合わないのだと思う。地域ごとにどのような医療ニーズがあるのかを各医師会で把握して推計値を出すことができれば良いのではないかと回答した。
また、地区で在宅医療に取り組んでおられる実感から、国は在宅医療の必要性を謳いながら、厳しい施設基準、面倒な算定要件を設定し在宅医療参入のハードルを上げて参入しづらくしている。おまけに今次改定で在宅時医学総合管理料の点数を引き下げ、現場の苦労を評価しない矛盾について、国が何をしたいのかわからないと批判された。
集団的個別指導において、在宅医療に取り組んでいる地区の会員が高圧的な指導を受けたことに対し、協会は高圧的な指導医療官がいる実態を報告するとともに、近畿厚生局に指導は懇切丁寧であるべしと改善を求めていることを報告した。
最後に、船井医師会の玄野昌実会長から、「格差社会になっていくのかと思うが、医療や介護に格差はないように願っている。在宅医療を頑張っておられる先生方は行政指導でモチベーションを下げないように、理不尽なことがあれば協会に相談するようにしていただくので対応をよろしくお願いしたい」と閉会のあいさつをされた。