宇治久世医師会と懇談  PDF

1月11日 うじ安心館ホール
地域の医師への期待は高く評価は低く

 協会は1月11日、宇治久世医師会との懇談会を開催した。地区から26人、協会から9人が出席し、宇治久世医師会の増井明理事の司会で開会。冒頭、宇治久世医師会の土井邦紘会長より「保険診療の高齢者あるいは介護者への負担増が国民医療または医療費全体にどのような影響を与えるのか時間の許す限り意見交換を行いたい」とあいさつ。続いて協会の垣田理事長があいさつ。協会各部会の担当理事から部会報告を行った後、意見交換に移った。
 意見交換の中で、医師偏在問題・京都府地域医療構想中間案が話題となった。医師偏在問題について地区からは「医師の偏在とともに治療の偏在を非常に気にしている」「偏在については、地区医師会がイニシアティブをとり行政を巻き込んでまとめていく必要がある。何もかもが行政主導型になってしまうと、我々は手も足も出せなくなる」などの意見が出された。これに対して協会より「科として見たら医師数は問題ないが、例えば産婦人科でお産は取り扱わず婦人科のみといった医師が増加傾向にあるように、科内偏在という問題もある」と述べた。
 また京都府地域医療構想中間案について地区からは「中間案はあまりヒントになるものではなく、山城北の医療・介護の提供体制の充実が本当にこれでいいのかと思う。資料を見て愕然としている」「市町村で医療費を抑えていく施策は無理ではないか。市町村の裁量の中でともに手を携えられる部分を模索しながら、議論を重ねてきた。しかし、国の政策の方向ではこれまでの関係性が壊れてしまうのではないか」などの意見が出された。また行政と地区医師会のかかわりについて「予算を配分してもらうのに市長からのトップダウンじゃないと難しい。そこだけに集中して行政と共同しているわけではないが、我々の活動が実を結んでいかないように思う」「宇治市としても国や京都府から言われないと人員や予算は増やせない状況にあり、決められた中で我々の要求に最大限に頑張っているのが現状である」との意見が出された。
 これに対して協会は「とにかく地域の医師に対する期待ばかり大きく、行政はなにもかも医師会にお願いしてくるが、果たして行政はどれだけ一緒に地域医療を守っていこうと考えているのかがわからない」と述べた。
 最後に土井邦紘会長から「住民の目線に立って何ができるのかアピールする必要があるが、医師会全体の期待度だけ高く評価は低い。いろんな方面に医師会が出ていかないと評価されない時代にきたと思う」と述べられた。

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