協会は、核燃料サイクル事業に固執する国の方針に反対し、声明を1月12日付で発表。安倍晋三内閣総理大臣、世耕弘成経済産業省大臣、山本公一環境省大臣に届けた。
政府は昨年12月21日、高速増殖原型炉「もんじゅ」を廃炉にし、より実用炉に近い「高速実証炉」の開発に着手する方針を決めた。
「もんじゅ」の廃炉については、遅きに失したとはいえ、その判断をまずは歓迎したい。しかしながら、政府は将来の高速炉開発に必要だとして、もんじゅを活用した研究を実施する方針も示した。国民の多くが原発再稼働に異議を唱える現状で、看板を掛け替えただけの新型原子炉開発に、納得できるはずもない。まして、高速炉の実験炉である「もんじゅ」での核燃料サイクルが誰の目からみても破たんしたにもかかわらず、より実用炉に近い高速炉を開発するなど、福島第一原発事故と真摯に向き合う姿勢は皆無だ。
協会は政府に対し、高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉という現実を真摯に受け止め、核燃料サイクルおよび原発再稼働を断念するよう強く要請。そして、すべての人たちの生命を守るという政治の原点に立ち戻り、エネルギー政策を見直すよう強く求めた。
MENU