私のすすめる フクロウカフェ 辻 俊明(西陣)  PDF

ほっこり気分

烏丸御池界隈はおもしろい。地下鉄駅構内にはコーヒーショップ、書店、イートインのパン屋さん、マッサージ店ができて、ひとときほっこりすることができる。地上に出て文化博物館に行くと、そこではゆっくり京都の歴史を味わえ、敷地には飲食店や映画館、小ホール、金庫跡の喫茶店などがあり、高齢者も若者もアミューズメントのように楽しめる。烏丸通りから河原町通りまでの三条通りには、近年個性的な衣料の店やカフェが増え、中へ入っても外から見るだけでも楽しくなってくる。このあたり一帯新たな文化拠点になりそうな気配である。以前、北山通りにその種のエネルギーを感じたが、今は三条通りに感じる。
最近この付近にフクロウの店ができたので行ってみた。路地から店に入ると、まず関連グッズが置いてあり、奥に実物とふれあえる場所がある。予約制になっているが、そのときは平日であったためかすぐに入ることができた。ふれあいの場に入ると、20~30羽のフクロウとともに、元気なお姉さん2人が迎えてくれた。
まず店員のお姉さんが、ふれあい方を説明してくれた。手の平で触らず甲で触ること、手を正面からもってきて頭と背中をゆっくり触ること等。教えてもらった通りに一羽を手の上に載せて頭をなでたが、全く怖がらない。生まれた時からヒトに育てられたので、こんなに慣れているということであった。店員さんはフクロウの生態をとてもよく知っていて、種類ごとに目の色が異なり、それによって夜行性、昼行性の違いが出てくるなど教えてくれた。また、驚くことに、楽しくて仕方がない様子で常に鳥たちに声をかけて元気づけていた。まるで小鳥がさえずるような自然さで。そこにはビジネスを超えた鳥との友情があった。貴重なものを見せてもらうことができた。こんな素敵な店員さんと一緒にいられて、ここの鳥たちはみんな幸せ者だ。
しばしの間、鳥類とたわむれたあと帰りがけにふと思ったのであるが、京都府保険医協会のビルは、ここから歩いてほんの2~3分のところにある。おそらく保険医協会のシンボルマークのフクロウくんがこの店を呼び寄せたのであろう。

デビューしたて、緊張気味

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