多忙な生活の中で、私なりに持っていた趣味の多くからはほとんど遠ざかってしまいました。残るものは休日ごとに出かけるドライブだけになってしまいました。ストレス解消のためのドライブと言えそうです。私の場合、たんにドライブというより、自然の移ろい、特に植物相の変化に興味を持って車を走らせています。中でも特に気に入ったコースをご紹介させていただきます。
それは166号線、いわゆる伊勢街道で、特に東吉野の新木津トンネルから三重県の飯高町の間は道も景色もすばらしいものです。166号線に入る榛原あるいは菟田野へ向かう途中は早春には野生あるいは植栽の彼岸桜が見られます。県境の高見山の奈良県側あるいは三重県側の道路傍には山桜あるいはしだれ桜が数多く見られ、特に三重県側に下る道では美しい眺めとともにところどころ路傍に立派な山桜としだれ桜を見ることができます。
今、並木の桜の大部分は染井吉野で、多くの人が昔からの日本の桜と勘違いしていますが、本来の日本の桜は山桜です。一人でも多くその美しさを知ってほしいと思います。
さらにこの道路で特筆すべきことは、飯高町の山百合です。戦前は静岡県などでは東海道線に沿って群落をなしているのが見られましたが、現在は極めて稀な存在になってしまいました。しかし、飯高町では群落が見られ、特に波瀬集落は山百合の南限地とされており、多くの群落が見られます。その場所まで車で入ることも可能です。花の咲くのは7月初めより末ごろまでです。オリエンタルリリーとして売り出されているカサブランカは、その源流が山百合ですし、私にとっては改悪としか思えません。その他のオリエンタルリリーの大部分も源流は日本の百合です。
以上、166号線について一応の情報を記しましたが、その他にもいろいろ特色のあるドライブコースがありますので、機会があればまたご紹介できるかと思います。
伊勢街道のおすすめドライブコース。
春から初夏にかけて桜や山百合が楽しめます。
ご家族一緒にピクニック気分でいかがですか