600病院以上が小児科を閉鎖・休止/08年度1年間で
全国で小児科を閉鎖あるいは休止した病院が2008年度1年間で600病院を超えることが、日本小児科学会が分析中の08年度病院調査で分かった。国内の小児科標榜病院は3000病院を切り、約2300病院まで落ち込んでいる。同学会の社会保険委員会(委員長=近藤富雄・大垣市民病院副院長)は、小児医療現場の実態を踏まえた診療報酬の評価が喫緊の課題と主張している。
08年度病院調査で回答のあった2992病院(回答率92.5%)のうち、小児科を標榜していたのは2383病院だった。08年度中に609病院が「小児科を閉鎖あるいは休止」と回答した。厚生労働省の医療施設調査によると、小児科標榜病院は1999年度には3528病院あったが、07年度には3015病院に減少した。07年度までは513病院の減少に8年間を要していたにもかかわらず、08年度は1年間で600を超える小児科標榜病院が小児医療から撤退したことになる。特に東京、大阪など都市部で閉鎖や休止が多いという。
厚労省の調査では、小児科医が増加傾向に転じていることから、施設の集約化が進んでいるのではないかとの見方もあり、同学会が分析を進めている。(10/20MEDIFAXより)