599億円黒字も額は大幅減/07年度健保組合決算見込み
健保連は9月10日、2007年度健保組合決算見込みの概要をまとめた。健保組合全体(1518組合) の経常収支は、599億円の黒字で5年連続の黒字決算となったが、黒字額は拠出金負担の増加などにより前年度決算より1773億円減少した。
経常収入は6兆1993億円(前年度比3.2%増) に対し、経常支出は退職者給付拠出金が前年度より21.7%増えたことなどにより6兆1394億円(同6.4%増) に膨らんだため、黒字額が減少した。経常収支が赤字の組合は全組合に占める割合は44.8% (同12.2ポイント上昇) で、赤字組合の赤字総額は1570億円(同57.5%増) に上った。保険料率が政管健保の8.2%を超える組合は253組合あった。
会見した対馬忠明専務理事は、07年度決算では38.4%だった保険料収入に占める拠出金支出の割合が、08年度からの新たな高齢者医療制度の影響などで46.5%となる見込みを示し、「08年度の大幅な赤字は避けられない」と述べた。
西濃運輸や京樽の健保組合などの解散が相次いでいることについて、対馬専務理事は「個別組合の事情は異なるので一概には言えないが、08年度の医療制度改革が引き金となっていることは間違いない」とし、特に前期高齢者納付金の負担が大きいとして、拠出金負担に関する激変緩和を厚生労働省に求める考えを示した。(9/11MEDIFAXより)