38兆5850億円、過去最高を更新/11年度国民医療費  PDF

38兆5850億円、過去最高を更新/11年度国民医療費

 厚生労働省が11月14日に発表した2011年度「国民医療費の概況」で、11年度の国民医療費は38兆5850億円となり、過去最高を更新した。前年度から1兆1648億円増加し、前年度比は3.1%増だった。人口1人当たりの医療費も過去最高を更新し、前年度比3.3%増の30万1900円だった。

 厚労省は国民医療費3.1%増の内訳について、人口の高齢化が1.2%程度、人口の増減がマイナス0.2%程度、医療の高度化や疾病構造の変化などその他の要因が2.1%程度と説明した。「診療報酬改定がなかった分、前年より伸び率は低いが、ほぼ従来どおり」と見ている。

 国内総生産(GDP)に対する比率は8.15%(前年度7.79%)で、国民所得(NI)に対する比率は11.13%(同10.62%)になった。

●薬局調剤医療費は7.9%増、6兆6288億円
 医科診療医療費は推計費27兆8129億円で、前年度比2.2%増だった。このうち、入院医療費は14兆3754億円(前年度比2.0%増)、入院外医療費は13兆4376億円(同2.3%増)だった。薬局調剤医療費は6兆6288億円(同7.9%増)、歯科診療医療費は2兆6757億円(同2.8%増)だった。構成比を見ると、医科診療医療費は72.1%(入院医療費37.3%、入院外医療費34.8%)、薬局調剤医療費は17.2%、歯科診療医療費は6.9%となっている。

 また、入院時食事・生活医療費は8231億円(同0.8%減)、療養費等は5637億円(同2.4%増)、訪問看護医療費は808億円(同9.2%増)になった。

 傷病分類別の医科診療医療費で最も多いのは「循環器系の疾患」で5兆7926億円(同2.3%増)。以下、「新生物」の3兆6381億円(同4.7%増)、「呼吸器系の疾患」の2兆1707億円(同2.7%増)と続いた。

 制度区分別に見ると、医療保険等給付分が18兆3360億円(同2.5%増)で最も多く、後期高齢者医療給付分が12兆2533億円(同4.8%増)、患者等負担分が5兆85億円(同0.1%減)、公費負担医療給付分が2兆7931億円(同6.0%増)だった。

 財源別に見ると、公費のうち国庫は10兆307億円(同3.4%増)、地方は4兆7772億円(同4.9%増)だった。保険料のうち事業主は7兆7964億円(同3.4%増)、被保険者は10兆9555億円(同3.4%増)。患者負担は4兆7416億円(同0.3%減)だった。厚労省は患者負担が減少した理由について、高齢化などのほか、東日本大震災の被災者医療無料化が考えられるとしている。(11/15MEDIFAXより)

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