36分以降の搬送、1カ月生存率ゼロ/心肺停止患者
総務省消防庁は2月16日の救急業務高度化推進検討会メディカルコントロール作業部会で、傷病者の搬送と受け入れに関する全国調査の速報を報告した。心肺機能停止の患者に接触後36分以降の搬送では、1カ月後生存率と1カ月後社会復帰率がともにゼロ%となった。今後、検討会などで現場での処置の在り方について議論する。
救急隊が患者に接触してから現場出発時間までの時間別に、生存率・社会復帰率を見ると、36分以降の搬送(19件)で生存率・社会復帰率がともにゼロ%となった。2分から16分の間では生存率が7−17%、社会復帰率が2−4%の間で推移した。また、16分以降で低下した生存率が26分経過で5%、28分経過で10%、30分経過で9%となり、26分以降で一時的に向上する結果となった。消防庁救急企画室の溝口達弘救急専門官は 「26分以降に生存率が上がるのは、何らかの処置が行われた場合と考えられる。ただ、あまりに時間がかかりすぎると予後が悪くなると思われる」と説明した。
傷病者への救急救命処置などを家族らが望まなかった事案は全国平均で2.6%、死後硬直または死斑疑いがあった事案は4.9%あった。
調査は2009年12月1−31日の期間に、全国の消防機関で救急搬送された心肺機能停止傷病者について報告を求めた。今回は、速報として12月1−14日搬送分(5020件)の結果を示した。(2/17MEDIFAXより)