29市が無保険の子一律救済/県庁所在地・政令市、親の国保料滞納で  PDF

29市が無保険の子一律救済/
県庁所在地・政令市、親の国保料滞納で

 親など保護者が国民健康保険の保険料(税) を滞納したため「無保険」状態となっている子どもに対し、計50の道府県庁所在地と政令指定都市のうち計29市が保険証を一律に交付する救済措置を既に取るか、近く実施予定であることが11月28日、共同通信のアンケートで分かった。

 無保険の子どもの救済が、課題となっている現状がうかがえる。各市は滞納世帯や子どもに通常の保険証のほか有効期間1−6カ月の短期保険証を交付。子どもの対象年齢は18歳未満、中学生以下、小学生以下、未就学児などさまざまだ。

 厚生労働省は、保護者が保険料を1年以上滞納すると、保険証を取り上げて資格証明書を交付することを2000年度から義務化。資格証が交付されると無保険扱いとなり、医療機関の窓口でいったん全額自己負担を求められ、子どもの受診控えにつながる恐れがある。このため厚労省は10月末、滞納世帯から相談があれば無保険の中学生以下の子どもに短期保険証を交付するよう地方自治体に通知した。

 この通知を受け奈良など2市が中学生以下に短期保険証を一律交付するなどの措置を取った。札幌、高松が未就学児から対象年齢を拡大するなど9市が12月から年明けにも対応する。

 札幌、高松両市のほかに通知以前から前橋、静岡など18市が独自に救済措置を取っていた。また、山形など3市は、従来の対応努力により無保険の子どもはいないと回答した。検討中や未定と答えた市も多い。

 厚労省の9月15日時点の調査では、無保険の中学生以下の子どもは全国に約3万3000人おり、50市では約1万3000人いる。

 アンケートは11月中旬に各市の担当者に配布し、対応を尋ねた。東京都は特別区ごとに対応しているため調査対象から除いた。【共同】(12/2MEDIFAXより)

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