2016高齢者大学(3)  PDF

2016高齢者大学(3)

歳を重ねても健康であるために

 6月2日、京都高齢者大学健康講座の第3講は、医療法人敬幸会垣田医院院長の垣田敬治氏が「糖尿病のあれこれ」をテーマに、講師を務めた。まず、糖尿病の危険因子をもつ肥満についての話から始まった。肥満のうち、りんご型肥満と呼ばれる内臓脂肪型肥満の人が糖尿病や他の生活習慣病になる可能性が高くなる。肥満は、脳の下部にある視床下部というところに食欲中枢があり、その部分のホルモン受容体に異常があると食欲が亢進したままになり、必要以上のエネルギーが摂取されるのも一因であると説明した。

 糖尿病になると、腎臓、神経、目などで合併症が起こる可能性が出てくる。実際に、腎炎よりも糖尿病が原因で透析をする患者が増加傾向にある。糖尿病が長期化すると、糖尿病性の網膜症になる可能性もあり、最悪の場合には失明に至る。成人の失明原因の第一位は糖尿病となっている。糖尿病になると、日常生活に影響が出てくるため、注意が必要だと説明した。

 続いて、日本の死因の高い順が、循環器系の疾患、がん、肺炎であると紹介。がんは遺伝要因が強いが、生活習慣病は生活習慣の改善でリスクを減らすことが可能である。糖尿病予防のためにも、まずは生活習慣を改善することが必要と説明した。特に「動く」「食べる」ことに意識して取り組むことを強調した。具体的には、2日に1回は8000歩以上歩くこと、近年の美食ブームに影響されず、よく噛んで30分以上時間を掛けて食事をすることを呼びかけた。

 60歳が還暦、70歳が古希、77歳が喜寿、99歳が白寿、100歳が百寿(まだまだ未熟)、108歳が茶寿(もっともっとお茶を飲んでから)、120歳で心づもりができ、162歳でようやく天寿と言われている。ぜひ長生きを目指しましょう。そうすると、人は自主的に動き、頭を使おうとするもので、健康的な生活習慣を意識できると締めくくった。 

ページの先頭へ