09年度概算要求額は22兆9515億円/厚労省、08年度予算比3.7%増

09年度概算要求額は22兆9515億円/
厚労省、08年度予算比3.7%増

 厚生労働省は8月26日、2009年度予算の概算要求の主要事項を自民党の厚生労働部会と社会保障制度調査会、雇用・生活調査会の合同会議に提示し、了承された。一般会計の要求額は08年度当初予算と比べて3.7%増の22兆9515億円。要求額の大部分を占める年金・医療などの経費(社会保障費) は自然増8700億円に対して概算要求基準(シーリング) で定められた2200億円を圧縮し、08年度当初予算と比べて6389億円増の21兆4085億円とする。

 自然増8700億円の内訳は、医療3700億円、年金3300億円、介護800億円、福祉900億円。8700億円から2200億円を圧縮すると6500億円となるため、年金・医療などの経費は08年度当初予算比で6500億円増となるはずだが、厚労省大臣官房会計課によると、政管健保から協会けんぽへの移行などに伴う経費区分の変更などを含んでいるため、増減額がシーリングと一致しないという。

 2200億円の圧縮に関して厚労省は、秋以降の税制改正論議の中で社会保障費に関連した「新たな税制上の安定財源」が確保できれば、圧縮額を引き下げることができるとしている。安定財源について舛添要一厚労相は8月7日にメディファクスなどと会見した際、「例えば、たばこ税で700億円が入ってくれば、削減額は2200億円から700億円を引いた1500億円になる」と述べ、たばこ税の増税に強い関心を示していることを明かしている。

 税財源を投入した後に、なおも残る削減額については、雇用保険の国庫負担の見直しや後発医薬品の使用促進などで捻出することが想定されている。

 一方、シーリングの枠外で各省庁が要求できる「重要課題推進枠」(3300億円程度) には、福田康夫首相肝いりの「5つの安心プラン」に盛り込んだ内容を中心に1860億円を要求する。

 厚労省の概算要求の主要事項は「5つの安心プラン」の内容が柱となっており、同プランの内容に沿って要求額を見ると、高齢者対策に1073億円、医療対策に1119億円を充てる形となる。同プランの目玉でもある医師不足対策には、08年度当初予算比で2.2倍となる約360億円を要求する。医師以外の職種も含めた人材確保対策なども含め、医療確保関連予算全体では1013億円を要求する。

 介護の人材確保策では、介護福祉士など潜在的有資格者のための再就労支援や、福祉人材ハローワークの創設などを合わせて173億円を要求する。(8/27MEDIFAXより)

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