09年度の政管健保、保険料率は0.1−0.3%増加/社保庁推計
社会保険庁の政府管掌健康保険事業運営懇談会は9月3日開かれ、社保庁が政管健保の2009年度収支イメージを示した。医療保険の保険料率は0.1−0.3%増加するとの推計を出している。
社保庁は概算要求ベースで推計した2種類の09年度収支イメージを出した。現行の保険料率のままだと09年度も支出が収入を上回る赤字になるとした。
その上で、事業運営安定資金の1800億円をすべて取り崩した場合でも保険料率は0.1%の引き上げが必要としている。逆に事業運営安定資金を取り崩さず残した場合は、0.3%の引き上げになると推計した。09年度の支出は7兆5900億円となり、07年度決算ベースと比べ3458億円の増加と見ている。ただ今後、政管健保の運営を行う全国健康保険協会の予算策定によって推計値の変動もあり得るとしている。
また、社会保険病院と厚生年金病院の取り扱いについては、4月の与党協議で「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO) に移管することで合意したと報告。移管後の譲渡先について、社保庁は「与党合意を踏まえ地域の基幹病院の機能が損なわれないよう注意しながら対応していく」とした。
政管健保の07年度単年度収支決算についても報告した。医療・介護を合わせ1352億円の赤字で、02年度以来5年ぶりの赤字決算だったとした。赤字の原因は医療の高度化による保険給付費の増加と退職医療制度による国保への拠出金が高齢化で増加したことなどを挙げた。(9/4MEDIFAXより)