08年度改定で自治体病院の収入0.1%減/全自病が調査
自治体病院を対象にした2008年度診療報酬改定影響率調査で、改定直後の4−6月の診療収入は1病院当たり前年同期比0.1%の減収だったことが、全国自治体病院協議会の調査結果(速報値) で明らかになった。一般病院は0.1%の減収、精神科病院は0.7%の減収で、プラス改定による大きな変化はなかった。
一方、救急体制別の影響度調査では3次救急は0.6%の増収だったものの、2次救急は0.3%の減収になり、08年度改定での救急医療の重点配分による影響はほとんどみられなかった。
調査は980の自治体病院が対象で475病院が回答(回答率48.5%)。うち診療体制の変化による収入への影響が大きい病院を除外した353病院を対象に、08年4−6月分の診療報酬収入を前年同期と比較した。病院種類別、救急体制別の影響度調査を行ったのは今回が初めて。
1病院当たりの総収入を病床規模別にみると一般病院の99床以下は0.8%減、200−299床は0.2%増、400床以上は0.9%増など、いずれも1%未満の増減にとどまった。入院収入は全体で0.4%の増収、外来収入は0.8%の減収だった。
救急体制別では、3次救急が0.6%、救急告示なしが0.1%とそれぞれ増収となった。一方、減収だったのは2次救急(0.3%減)、初期救急(1.9%減) など。初期救急の減収は、地方の小規模病院が多いためとみられる。
病院種類別にみると、療養病床のみの病院(1.1%増)、こども病院(6.8%増)、専門病院(2.3%増)、リハビリ専門病院(1.4%増) が増収だった。特にこども病院の増収は08年度診療報酬改定で新設された「小児入院医療管理料1」の算定が影響しているとみられる。
逆に減収だったのは、その他一般病院(0.2%減)、ケアミックス病院(1.2%減) などだった。
患者1人1日当たりの収入は、入院が2.6%増、外来が4.0%増といずれも増加した。一方、1病院当たりの延べ患者数は入院が2.2%減少し、病床規模別にみてもいずれも減少。外来の延べ患者数は4.5%減で、精神科病院(0.9%増) 以外は減少していた。
一般病院について患者1人1日当たりの収入をみると、入院・外来ともに病床規模を問わず増加した。入院は、400床以上と100−199床がともに2.8%増。外来は300−399床(5.5%増) が最も増収幅が大きく、次いで400床以上(5.3%増)、200−299床(4.7%増) などだった。(11/19MEDIFAXより)