08年度上半期、医療費伸び率は2.2%/改定率上回る鈍化、厚労省調べ  PDF

08年度上半期、医療費伸び率は2.2%/改定率上回る鈍化、厚労省調べ

 厚生労働省は1月14日、中医協の診療報酬基本問題小委員会で、2008年度診療報酬改定後の08年度上半期(4−9月)の医療費動向を公表した。稼働日数を補正しない段階の前年同期比伸び率は2.2%となった。改定など大きな制度改正の影響を受けていない07年度の伸び率(3.1%) を自然体の伸び率とした場合、本来3.1%増となるところが改定などの影響で0.9%分減少したことになる。下げ幅は08年度の改定率(マイナス0.82%)より大きい。1日当たり医療費の伸び率は2.8%、受診延べ日数(延べ患者数)は0.6%減だった。

 伸び率の鈍化について、厚労省保険局調査課は「診療報酬改定以外にもさまざまな要因がある上、08年度上半期に限られた数値。一概に改定の影響とは言えない」とし、今後の動向を踏まえて総合的に判断する考えだ。

 08年度4−9月の医療費伸び率は医科1.3%(入院2.2%、入院外0.4%)、歯科3.4%、調剤5.9%。07年度伸び率との比較では医科1.0ポイント低下、歯科3.6ポイント上昇、調剤2.9ポイント低下となった。

 医科病院の伸び率は1.6%で、大学病院が4.4%、民間病院が2.4%伸びているのに対し、公的病院は0.4%減となった。厚労省は「医療費総額に関する伸び率のため、施設数の増減による影響もある」とし、公的病院の伸び率減少は公立病院の施設数の減少による影響が大きいとの見方を示した。07年度伸び率との比較では、大学病院が0.3ポイント上昇したが、公的病院は1.8ポイント、民間病院は0.4ポイントそれぞれ低下した。

 診療所の伸び率は0.7%で、外科(2.0%減)、産婦人科(1.2%減)、内科(0.4%減)などの診療科で減少した一方、皮膚科(3.4%)、 整形外科(2.7%)、耳鼻咽喉科(2.7%) などの伸びが大きかった。07年度伸び率との比較では、小児科(4.3ポイント増)、皮膚科(3.3ポイント増)などで上昇が見られた一方、内科(2.7ポイント減)、外科(1.9ポイント減)などでは低下した。(1/15MEDIFAXより)

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