TPP反対で「国民会議」発足/民主議員ら「国民生活脅かす」  PDF

TPP反対で「国民会議」発足/民主議員ら「国民生活脅かす」

 菅直人首相が参加を目指す環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に反対する民主党の国会議員と有識者らが2月24日、「TPPを考える国民会議」(代表世話人=宇沢弘文・東京大名誉教授)を発足させた。TPPに反対する超党派の国会議員や団体などにも参加を呼び掛けており、全国各地で対話集会を開催するなどして、政府に慎重な対応を求める。

 設立趣意書では、TTPについて「関税撤廃を原則としているばかりでなく、サービス貿易、投資、人の移動など幅広い分野にわたる包括的協定であって、国民生活を脅かす大胆な国内改革に対する懸念を抱かざるを得ない」としている。

 東京・永田町で会見した宇沢氏は「一国の総理が『第3の開国』などという無責任な発言をするのは許せない」などと声を荒らげながら反対姿勢を強調。世話人の一人である山田正彦前農林水産相も「新自由主義に沿った形で話が進み始めている。民主党は内需を中心とした福祉国家を目指していた。政権交代の原点に戻らなければならない」と述べた。

●「自由診療、民間保険参入など問題生じる」
 TPPが医療に与える影響について山田氏は「混合診療から自由診療、国民皆保険も民間の医療保険が参入しなければならないとか、いろんな問題が生じてくるのではないか」と懸念。宇沢氏も「それぞれの国がそれぞれの経済的、社会的、文化的条件の下で国民が中心になって(制度を)選んでいくのが医療だ」と述べた。

 山田氏は、農業団体をはじめ、日本医師会や日本歯科医師会、日本薬剤師会などの医療団体のほか、さまざまな分野の団体に国民会議への参加を呼び掛けていると説明。2月26日の甲府市を皮切りに全国各地で対話集会を開き、「国民各層、各分野の考えをまとめ、政治の世界だけでなく広く一般に訴える国民運動を展開する」(宇沢氏)考えだ。(2/25MEDIFAXより)

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