RFO後の新機構「地域完結を推進」/全社連が報告書  PDF

RFO後の新機構「地域完結を推進」/全社連が報告書

 全国社会保険協会連合会は、社会保険病院など61病院の受け皿になる予定の独立行政法人「地域医療機能推進機構」の在り方に関する報告書をまとめた。同機構のミッションについては、住民の視点を活動の中心に据え、地域の医療機関相互の調整と、それに基づく地域完結型医療の推進が重要としている。齊藤寿一氏(社会保険中央総合病院名誉院長)を班長に全社連の共同研究として、社保病院、厚生年金病院、船員保険病院の61病院の病院長へのアンケート調査を踏まえて策定した。

 社保病院などの運営母体である独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)」は2012年9月30日まで存続することが決まったが、全社連では、11年の通常国会で「独立行政法人地域医療機能推進機構」法案の成立を期待している。そんな中で行われた共同研究は、25の調査項目に対して61病院の各院長が記述式で回答した。回答率は92%だった。

 調査結果によると、地域の診療圏で直面している課題に医師不足を挙げた病院が突出していたほか、医師確保については、基本的に大学医局との関係が重要とする意見も多かった。機構本部と各病院の望ましい関係については、各病院の院長人事など人事制度の枠や給与体系などは本部が定めるが、ボーナスなどは現場の判断で柔軟に行えるように求める意見が多かった。

 齊藤班長は、今回のアンケート調査結果から61病院の病院グループの最終形態は「公的な病院グループ」が望ましいと位置付けた。固定資産税など税制面の優遇策は必須で、その分、不採算医療を進んで担うことが必要とも指摘。独立行政法人にこだわるわけではなく、公的な病院グループという枠組みが重要とし「国立病院機構の矢崎義雄理事長が将来的な方向の1つとした公的医療法人というイメージに近い」と述べた。

 さらに、グループの病院の多くは黒字決算を計上しており、独立採算で運営できるとし「売却や譲渡という言葉に振り回されて将来像が示せないというような迷走をしてはならない」と述べた。(11/2MEDIFAXより)

ページの先頭へ