NICU1カ所当たり5000万円補助/文科省09年度概算要求
大学病院の産科・小児科医不足対策として、文部科学省は2009年度予算概算要求に98億7000万円を計上した。産科・小児科の女性医師の復帰支援として人件費を補助する事業を盛り込んだほか、大学病院が地域医療の「最後の砦」として担う産科・小児科医療を整備するために、大学病院の集中治療室1カ所当たり3000万−5000万円の経費を補助する方針を示した。
こうした新規事業は、文科省が政府の「5つの安心プラン(医療対策)」に基づき概算要求に盛り込んだ「医師不足対策人材養成推進プラン」の一環で、(1)産科・小児科医療などに関する教育環境の整備、(2)産科・小児科分野の女性医師の復帰支援、(3)産科医の負担軽減のための院内助産所などを活用した助産師養成―が柱。
産科・小児科医療の教育環境整備としては、大学病院の集中治療室を対象に、指導医への手当や教育にかかわる機材購入、産科医の負担軽減に当たってのコメディカルの雇用経費などを補助する。
大学病院の集中治療室は全国で187カ所で、NICUとMFICU (母体・胎児集中治療管理室) は1カ所当たり5000万円、CCUとICUは1カ所当たり3000万円を補助する予定。概算要求では83億円を計上した。
産科・小児科医療にかかわる女性医師の復帰支援では、1人当たり約120万円の人件費(各大学病院で6人程度) を補助する方針。概算要求では大学病院79施設を対象に、5億7000万円を要求している。
このほか、院内助産所や助産師外来を活用した助産師養成環境を整備するために10億円を要求した。産科医の負担軽減のための短期的対策として、大学病院の助産師の質を高めるのが目的。助産師教育の一環として院内助産所や助産師外来を開設したり、シミュレーターなど教育機器を整備する大学病院10施設に、各1億円の経費を補助するとしている。(9/8MEDIFAXより)