NICU増床に「財政支援を」/東京都が厚労相に緊急要望
東京都は3月17日、舛添要一厚生労働相に対し、新生児集中治療管理室(NICU)の整備促進に向けて診療報酬の大幅な引き上げと国庫補助の充実などを求める緊急要望書を提出した。厚生労働省を訪れた猪瀬直樹副知事に対し、舛添厚労相は「背景の問題は山ほどある。医療体制全体の抜本的な見直しが必要で、今後検討を進めたい」と答えた。
都は要望書の中で、NICUの収支が現在の運営費補助金投入後も1床当たり700万円以上の赤字が生じているとする収支モデル分析の結果を示した。その上で、NICUの診療報酬を実態に合わせて引き上げることや、総合周産期母子医療センターの国庫補助の算定基準にNICU数を加えること、地域周産期母子医療センターに対してもNICU数を算定基準とした国庫補助制度を創設することなどを求めた。
舛添厚労相との会談で猪瀬副知事は、厚労省の懇談会が取りまとめた報告書でNICUを最大で現状の1.5倍程度に増やす方針が盛り込まれたことについて、「ベッドを増やしても赤字が増えるだけ。インセンティブが必要だ」と指摘し、財政支援を強く求めた。(3/18MEDIFAXより)