HTLV研究費に10億円計上/11年度予算案で政府特命チーム  PDF

HTLV研究費に10億円計上/11年度予算案で政府特命チーム

 主に母乳によって母親から子どもに感染し白血病などを発症する「ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV−1)」について、政府の特命チームは12月20日、2011年度予算で研究費に10億円を計上することなどを盛り込んだ「総合対策」をまとめた。厚生労働省と都道府県にそれぞれ、HTLV−1対策を話し合う協議会を設けることも決まった。

 厚労省によると、HTLV−1の感染者数は約108万人と推定され、ウイルスを取り除く治療法はない。感染者のうち年間約1100人(推計)が白血病(ATL)を発症し、1年以内に死亡する患者が多く、5年生存率も極めて悪い。骨髄移植などの治療法があるが予後は良くない。感染者は歩行障害などを引き起こす神経障害(HAM)を発症することもあり患者数は全国で約1400人という。

 患者数が少なく採算が合わないため製薬会社が薬を開発するのは困難で、厚生労働科学研究費補助金(厚労科研費)を使って研究者が治療法の研究を行っている。(12/21MEDIFAXより)

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