DRG/PPSの検討求める/規制改革会議の第3次答申  PDF

DRG/PPSの検討求める/規制改革会議の第3次答申

 政府の規制改革会議が12月22日にまとめた第3次答申は、医療費の包括支払い方式への移行を強く促した。また、医師と他の医療従事者の役割分担を進める上で、軽度な疾患の処置ができるナースプラクティショナーの導入を検討すべきとした。

 答申では医療費の支払い方式について、出来高払い制による過剰検査・投薬などの弊害を抑え、医療の質的向上に向けて包括支払い制度を進める必要性があると指摘。一部導入済みのDPCは1日定額と出来高払いの併用であり、欧米で一般的なDRG/PPSなどの定額払いの方が有効な場合があるとの見解を示した。さらに、2008年度診療報酬改定で15歳未満の鼠径ヘルニアの入院医療について包括支払い方式が導入されたことも踏まえ、DRG/PPSの対象の拡大と要件の見直しについて検討を求めた。

 また、11年度に予定するレセプトオンライン化の原則完全実施やDPCの拡大により、医療内容と治療効果について客観的データを分析できる環境が整いつつあると指摘。欧米諸国の取り組みや国内の医療情報収集体制の整備状況も踏まえながら、「質に基づく支払い(Pay For Performance)」の考え方を踏まえた新たな制度の導入を検討すべきとした。

 このほかIT化の推進で、処方せんと調剤レセプトに医療機関コードを記載することについて検討を求める。調剤レセプトと医科・歯科レセプトの突合を容易にすることが狙いだ。

 一方、一般用医薬品のインターネット販売に対する規制強化の見直しは、今回の答申では見送られることになった。ただ、この件について、09年3月に予定する「規制改革のための3カ年計画」の再改定に向けて検討を継続する。

 同会議では、厚生労働省が規制強化に向けて省令を出すことは薬事法の範囲を超える可能性があるとの認識で一致。22日の会見で同会議は「法律論を議論することになる」との見通しを示した。(12/25MEDIFAXより)

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