DPT―IPV導入へ、単抗原IPV開発を/予防接種部会
厚生労働省の厚生科学審議会・感染症分科会予防接種部会(部会長=加藤達夫・国立成育医療研究センター理事長)は5月26日、ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオの4種混合ワクチン(DPT―IPV)が早ければ2012年度中にも導入される予定であることを踏まえ、導入時に3種混合ワクチン(DPT)の接種を始めた人でも、不活化ポリオワクチン(IPV)を接種できるようにするため「単抗原IPVの導入も併せて進めていくべき。DPT―IPVの導入から近い時期を目指して、単抗原IPVの国内使用が可能となるよう開発を進めるべき」との意見で一致した。
現在、日本の定期接種ではOPV(経口生ポリオワクチン)が使用されているが、極めてまれに、ワクチン接種者や2次感染で周囲の人にワクチン関連麻痺が発生することから、IPVへの切り替えの必要性が指摘されていた。
厚労省は、DPT―IPVの開発促進を求める文書を10年4月に発出。11年末には各社から順次、薬事承認申請が出され、早ければ12年度中にも導入される見通しとなった。厚労省医薬食品局審査管理課の成田昌稔課長は「品質の事前評価を実施している。
承認後ただちに検定を行いたい」と述べた。 DPTとOPVの初回接種時期を見ると、DPTが約2カ月先行するため、DPT―IPVへの移行に当たっては、DPTの接種開始後でOPV未接種者に対する対応が必要となる。こうしたDPT接種開始後の人にポリオワクチンを接種するため、厚労省は単抗原IPVワクチンの開発の必要性を部会で説明し議論を求めた。
宮崎千明委員(福岡市立西部療育センター長)は「移行期は難しく、単抗原ワクチンがあれば現場はやりやすい」との見解を示した。厚労省医薬食品局血液対策課の三宅智課長は「DPT―IPVが年末には承認申請という状況まで来ている。単抗原IPVについても、できるだけ早く近い時期に取り組めるよう考えたい」とした。(5/27MEDIFAXより)