DPCの在り方、見直し議論スタート/中医協・基本問題小委
中医協・診療報酬基本問題小委員会は7月16日、DPC制度の運用見直しの議論を開始した。同日は診療側委員から、対象病院の治癒率や再入院率が悪化しているとして、DPC制度自体の問題点を指摘する意見が上がったが、議論スタートの初日でもあり、踏み込んだ論戦とはならなかった。療養病床を併せ持つ「ケアミックス型」病院への拡大を今後も進めるのか、それとも大学病院とそのほかの病院で2つの体系とするのか─。廃止が決まっている「調整係数」に代わって新たに導入する「機能評価係数」の検討と合わせ、DPC制度の在り方そのものをめぐる激しい議論が、今後の基本問題小委の場で交わされることになる。
厚生労働省は同日の基本問題小委に、DPC見直しの論点として(1)これまでのDPCに対する評価、(2)DPC対象病院の考え方、(3)新たな機能評価係数の在り方─の3点を提示した。「これまでのDPCに対する評価」をめぐっては、中医協のDPC評価分科会が実施した調査の結果、対象病院の治癒率が低下傾向にあるほか、再入院率が高まる傾向にあることが分かっている。ただ、同分科会の報告書は治癒率の低下について、治癒ではなく病態が安定した時点までの入院を反映していると指摘。再入院率については、計画的な再入院の増加であるとして、質は確保されていると説明している。
「DPC対象病院の考え方」については、急性期入院医療の支払い方式として2003年度に導入されたDPC制度に、療養病床を併せ持つ「ケアミックス型病院」の参加が目立つようになっており、「大学病院と同じDPCの体系に納めるには無理がある」との指摘が一部で上がっている。
また、「新たな評価機能係数の在り方」について厚労省は同日の基本問題小委で、医療計画で定められた病院機能を係数として評価する方向性を示したほか、調整係数の段階的な廃止など経過措置を設ける必要性について審議するよう要請した。(7/17MEDIFAXより)