DPCと慢性期の報告書を了承/中医協総会  PDF

DPCと慢性期の報告書を了承/中医協総会

 中医協は9月7日の総会で、DPC評価分科会の中間報告と、慢性期入院医療の包括評価調査分科会の報告を了承した。DPC評価分科会は今後、医療機関群の設定や機能評価係数?、?などの具体的な議論に移っていく。慢性期の議論は総会に舞台を移し、改定に向けて診療報酬点数の具体的な議論を詰めていく。

 DPC評価分科会の中間報告は、調整係数を見直し、新たに医療機関群別の基礎係数を導入することと、新規高額薬剤の出来高払い緩和策が柱。

 鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、高診療密度病院群の要件をめぐり、看護師配置の時を再現するような医師争奪戦が起きることを懸念した。これに対して小山信彌・DPC評価分科会長(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)は、病床当たりの医師配置密度と、包括範囲の1日当たり出来高点数(診療密度)のほかに▽医師研修▽高度医療技術▽重症患者の診療─のいずれかで一定以上の実績を挙げていることを要件に課したことで、医師争奪戦が起きないよう配慮したと説明。「単に、医師を集めればよいというものではない」と述べ、理解を求めた。

 白川修二委員(健保連専務理事)はDPCの精緻化について「これ以上の分割はしてほしくない。単純化・包括化を優先すべきと考えている」と述べ、さらなる精緻化には反対の意向を示した。

●25対1療養病床「収支改善なぜ」
 慢性期入院医療の包括評価調査分科会の報告に対しては、複数の委員から「前回の改定で看護配置25対1の療養病棟入院基本料の点数が引き下げられたにもかかわらず、コスト調査結果で収支が改善しているのはなぜか」との疑問が出た。ただ、明確な理由までは分からず、委員の間では調査サンプル数の少なさを指摘する声が上がった。

 厚生労働省保険局の鈴木康裕医療課長は「これは分科会でも議論になったところだ」とし、同分科会の最終会合の後、報告書に盛り込んだ見解を紹介。収支が改善した理由については調査の限界があるため分析できなかったものの、出来高算定できる部分があることや、総支出に占める人件費割合が下がっているなど病院の経営努力がうかがえること、重症患者の受け入れを増やした可能性があるなどとする分科会の意見を紹介した。

 特定除外患者のレセプトに除外理由を記載していないケースが多数あることも問題視され、「通知や事務連絡などで摘要欄に記載するよう周知すべき」との声も上がった。(9/8MEDIFAXより)

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