ADRの申し入れ、半数受け入れ/日病協調査
厚生労働省の医療裁判外紛争解決(ADR)機関連絡調整会議(座長=山本和彦・一橋大大学院法学研究科教授)は6月13日、各構成員が事例を紹介した。このうち小山信彌構成員(日本病院団体協議会代表)は協力病院団体を通じて実施したアンケート結果を発表した。回答のあった400病院のうちADR機関から相談の申し入れがあったのは20病院で、計24件のうち13件で相談に応じたとし「相談の申し入れに対して、半数以上でADRを受け入れている」と述べた。
調査は国立大学附属病院長会議、国立病院機構など11団体を通じ、約1000病院を対象に2009年度の状況を調べた。400病院から回答があった。アンケート結果によると、相談に応じた13件は手術時の事例が目立った。一方、相談に応じなかった11件について、病院が受理しなかった理由は「数回にわたる説明を行っており、今後も説明を希望する場合には説明する機会は持つが、出向いての説明は不要」「説明に納得してもらえず高額な要求があり、話し合いによる解決は困難」などのほか、「カルテ開示もせずに患者側の申し立てで一方的にADRを行うのは不公平。医療者の精神的・時間的・肉体的負担が増幅する」とする趣旨の回答もあった。(6/14MEDIFAXより)