7割を税、3割が自己負担/同友会、75歳以上の高齢者制度
経済同友会の医療制度改革委員会は4月22日、高齢者医療制度の改革などを盛り込んだ「抜本的な医療制度改革への提言」を発表した。持続可能な医療制度を目指し、現役世代からの支援金に頼らない高齢者医療制度の構築などを提言している。
会見した須武男委員長(バンダイナムコホールディングス会長)は「日本の医療制度の最大の難点は、世代間の不公平感。賦課方式で若い世代からお金が回ってきているが、若い世代には自分の将来がどうなるのかという不安がある」とし「受益と負担の明確化が、制度の中にはっきりあるべき」と指摘した。
提言では、75歳以上を対象とする高齢者医療制度を設け、財源の7割を税、3割を自己負担とすることを提案。74歳以下を対象とする公的保険制度については、財源の7割を保険料、3割を自己負担とし、75歳以上を対象とする高齢者医療制度への支援金拠出は行わないとした。
医師不足などへの対応策も提言した。短期的な対応として、看護師などのコメディカルの業務範囲を拡大し、医師の業務の一部を行えるようにする必要があると指摘。ナースプラクティショナー(診療看護師)の導入などを例に挙げた。中期的には「家庭医」を含む専門医の育成制度を整備していく必要などがあるとした。
このほか▽経済連携協定に基づく看護師・介護福祉士候補者の受け入れ体制の改善▽株式会社による医療機関への参入規制の緩和・撤廃―なども提言している。(4/23MEDIFAXより)