7割が介護人材不足を実感/報酬上げは慎重、市長会
全国市長会が実施した調査で、介護人材の確保や育成が困難な状況にあるとした市が7割を超えたものの、そのための介護報酬引き上げに半数が慎重な姿勢を示していたことが8月6日、分かった。
介護職員の定着率が低く、事業者が募集しても集まらない慢性的な人材不足の現状を知りつつも、介護報酬引き上げが保険料アップに直結し、高齢者の負担増につながることを懸念した結果と言えそうだ。
調査は、2009年度の介護報酬改定をめぐる議論開始をにらんで、08年4−5月にかけて、市長会の介護保険対策特別委員会メンバーなどの81市を対象に郵送で実施。74市が回答した。
人材の確保・育成に関して質問したところ、「困難な状況にあり深刻な課題」が37%、「やや困難な状況だが事業者の努力で解決」が38%で、両方合わせると7割を超える市が人材難を実感していた。
介護報酬については、「職員を適正に配分できる仕組みを整備した上でなければ、引き上げない方がよい」が51%と半数が慎重な姿勢。「引き上げはやむを得ないが、一方で報酬の見直しを行い、保険財政の均衡を図る方がよい」が24%、「引き上げはやむを得ない」は15%だった。【共同】(8/8MEDIFAXより)