7剤以上の算定制限撤廃を 会員調査基に厚労省へ直接要望  PDF

7剤以上の算定制限撤廃を 会員調査基に厚労省へ直接要望

 7種類以上の内服薬を投薬した場合の算定制限に関して、協会は3月26日に厚生労働省と懇談。次回改定において同算定制限を撤廃することを求めた。懇談は約1時間かけて行われ、会員アンケートに基づき、地域医療の実態を示して改善を要望した。今後は中医協での具体的な検討となるよう働きかけを行いたい。

  会員の意見を基に  改善を訴え

 懇談は厚労省内で実施。厚労省保険局医療課から森課長補佐、清水主査が出席、協会からは鈴木副理事長と事務局2人が出席した。

 懇談ではまず、鈴木副理事長から、12年11月に全会員対象で実施した「7種類以上の内服薬投薬を行った場合の算定制限に関するアンケート」の結果を報告した(本紙2848号既報)。

 続いて、(1)1処方につき7種類以上の内服薬の投薬を行った場合、薬剤料を100分の90に減額して算定する取扱いの廃止、(2)少なくとも処方料を42点、処方せん料を68点に統一すること、(3)入院中と入院外で異なる調剤技術基本料を42点に合わせること、調剤料を引き上げ、調剤報酬の調剤料に合わせること、(4)多剤投与の相互作用(併用注意・禁忌)に対する管理料を新設することを訴えた。

 意見交換では、厚労省から「導入当時はいかに保険財源を有効に使っていくかとの観点から議論があったと思う。必要な治療が制限されることや、重症化して余計な医療費がかかるのは、厚労省としても本意ではない」ことを前提に、「多剤併用が必要な状況があるのか」との疑問が示された。協会は「高血圧、糖尿病では多剤投与のガイドラインに則り、作用機序の異なる薬剤を重ねて対応していくのが原則的な治療である」と説明し、外来における多剤併用が必要な患者がいることを訴えた。

 また、厚労省から「最近の改定では、運動指導等も含めて生活習慣病管理料という包括点数として評価してきた経緯がある。多剤投与している医師も生活習慣病管理料で管理できるのではないのか」との疑問が示された。協会は「生活習慣病管理料は高点数のため、算定しづらいとの意見が多い。また、包括点数なので、多剤になれば院外処方せんを交付することになる」と説明した。

 協会として問題ありと感じられたのは、厚労省から「7剤以上の内服薬投与の場合の処方料、処方せん料の引き上げを検討する場合、それ以外の処方料、処方せん料を引き下げてトータルで均してしまうという議論になる可能性もある」との意見が示された場面。協会は「技術料格差の是正を投薬の部でプラス・マイナスゼロという議論ではなく、全体として議論してほしい。高い方の技術料を下げようという議論は困る」と強く訴えた。

  内保連、学会からの  要望が重要

 その他、厚労省からアンケート結果に対する質問が出されるなど、活発に意見交換したが、厚労省から「内保連、学会から要望がないのに、中医協で取り上げることは難しい」との意見も出された。協会としても今後の取り組み方を検討する必要が明確となったが、実態の調査活動に基づき、数値等を示せば、厚労省側も意見を聞く姿勢があることも明らかとなった。

 当日は京都選出国会議員に対する要請行動も実施。7種類以上の内服薬を投薬した場合の算定制限の他、生活保護水準の引き下げ、TPPの問題について要請した。民主党参議院・福山哲郎議員、共産党衆議院・穀田恵二議員、同参議院・井上哲士議員と直接懇談することができた。

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