6割が時間外に電話対応実績/地域医療貢献加算で厚労省調査  PDF

6割が時間外に電話対応実績/地域医療貢献加算で厚労省調査

 厚生労働省は5月18日の中医協総会に、2010年度診療報酬改定の結果検証に向けて実施した「外来管理加算の要件見直し及び地域医療貢献加算創設の影響調査」の速報値を報告した。10年度改定で創設した地域医療貢献加算の施設基準を届け出ている診療所の6割程度が、診療時間外に電話で問い合わせを受けていた。中医協・診療報酬改定結果検証部会で詳細な分析と評価を行い、あらためて総会に報告する予定だ。

 地域医療貢献加算の施設基準を届け出ている診療所の59.2%が、10年12月14日午後から12月28日午前の14日間に診療時間外に問い合わせの電話を受けていた。電話の受付件数は「1件」14.2%、「2−4件」31.7%、「5−9件」15.8%、「10−19件」13.1%、「20−29件」6.0%、「30−49件」5.5%、「50件−」1.6%、「無回答」12.0%だった。一方、施設基準を届け出ていない診療所で、時間外に問い合わせの電話を受けたのは18.4%。受付件数は「2−4件」が最多の35.7%だった。

 施設基準を届け出ている診療所に、届け出の際に変更した点を聞いたところ「加算新設前より施設基準を満たしており、特に変更なし」が最多の64.8%。届け出後の時間外対応件数の変化については「あまり変わらない」が93.2%だった。

 施設基準を届け出ていない診療所に理由を聞いたところ「時間外の電話対応の負担が大きい」が62.9%で最も多かった。届け出予定の有無は「なし」が98.8%だった。

●外来管理加算、算定しない理由「投薬のみだから」が最多

 再診患者に対する外来管理加算の算定状況の推移も調べた。病院では、07年10月の算定率が42.3%で、09年10月に38.9%に落ちたが、10年10月に44.5%まで増えた。診療所では、07年10月の算定率が37.3%で、09年10月は36.5%、10年10月は36.7%とほぼ横ばいだった。

 同加算を算定していない患者がいると回答した病院に複数回答で理由を聞いたところ「簡単な問診、身体診察以外は投薬のみを行っているから」が73.2%で最多。診療所でも同様の理由が最多で、63.9%を占めた。

 施設調査は、病院1200施設(回収率35.3%)、地域医療貢献加算を届け出ている一般診療所1200施設(同32.4%)、同加算を届け出ていない一般診療所1200施設(同28.3%)を対象に実施した。(5/19MEDIFAXより)

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