4月に介護報酬10%引き上げを/民主、介護人材確保で特措法案
民主党の厚生労働部門会議は2月18日、4月から介護報酬を10%引き上げることを柱とした「介護労働者の人材確保に関する特別措置法案」を了承した。部門会議は、2009年度介護報酬改定での3.0%引き上げでは介護職員の処遇改善には不十分と判断。10% の引き上げで、計算上は全介護職員の月給を4万円増やせるとしている。
特措法案ではすでに決まっている3.0%増に7%増を追加し、その結果すべての業種で介護職員の給与が増えるようにするという。10%の根拠について山井和則衆院議員は会見で、厚労省が過去2回の介護報酬改定で計4. 7%引き下げているとし、「3.0%上げても砂漠に水をまくようなもの。人件費増にはつながらない」と指摘。10%の引き上げが不可欠だとした。
法案では報酬増が介護職員の給与増に確実に結び付くよう、介護事業者に対し、賃上げなど労働条件の改善措置について都道府県知事らに報告することを義務付ける。
追加される介護報酬の引き上げ分については国が全額負担すると明記し、被保険者の保険料の引き上げにつながらないようにする。必要な財源規模は4200億円と試算。部門会議は2兆円の定額給付金を取りやめれば財源は確保できるとしている。
部門会議では不足する介護人材の確保の観点のほかに、製造業などの派遣切りによる失業者の雇用創出策にもつながると期待している。(2/19MEDIFAXより)