3ワクチンの安全性「現時点で対応は不要」/厚労省合同会合
厚生労働省の「薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」「新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会」「子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会」は7月13日、合同で会合を開き、子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの安全性について、新たな死亡症例が報告されたものの、接種と死亡に直接的で明確な因果関係は認められず「現時点で何らかの対応を行う必要はない」との見解で一致した。
子宮頸がん予防ワクチンは2009年12月から約190万回が接種され、副反応報告は製造販売業者から193人、医療機関から219人(うち重篤14人)の報告があった。ヒブワクチンは08年12月から約399万回の接種で、製造販売業者から94人(同3人)、医療機関から173人(同27人)、小児用肺炎球菌ワクチンは10年2月から約302万回の接種で製造販売業者から110人、医療機関から205人(同26人)の副反応報告があった。
ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンの同時接種か、いずれか片方の接種後に死亡した報告は10例で、そのうち4月1日の接種再開後死亡例は1例だった。
また、インフルエンザワクチンについては副反応報告の状況などから「安全性に重大な懸念はない」とする評価で一致した。副反応報告の集積を受けて添付文書を改訂し、重大な副反応に「血管炎」と「皮膚粘膜眼症候群」を追記し、その他の副反応に「食欲減退」を加えることも了承した。
●間質性肺炎患者の死亡リスク「上昇させるとはいえない」
インフルエンザ(H1N1)2009の流行に対する新型インフルエンザワクチン接種事業では、基礎疾患を持つ人の接種後死亡例がこれまでに133例報告された。山縣然太朗参考人(山梨大大学院医学工学総合研究部社会医学講座教授)は、疫学的手法で新型ワクチン接種が呼吸器基礎疾患の症状悪化のリスクファクターとなっているかどうかの研究を行い、「呼吸器内科認定施設の特発性間質性肺炎患者診療録に基づく研究およびCOPD患者診療録に基づく研究では、新型インフルエンザワクチンがその患者の死亡リスクを上昇させているとはいえない」とする研究結果を報告した。(7/14MEDIFAXより)