25年の医療給付費推計を下方修正/厚労省  PDF

25年の医療給付費推計を下方修正/厚労省

 厚生労働省は10月25日の高齢者医療制度改革会議に示した、高齢者医療制度改革に伴う医療費の将来推計および財政影響の試算で、2025年の医療給付費水準を06年の医療制度改革当時より9兆円低い45兆円に下方修正した(資料1、後掲30ページ)。

 06年の医療制度改革当時の25年の医療給付費水準の見通しは、平均在院日数短縮や生活習慣病対策による6兆円の適正化効果を見込んで48兆円と試算していた。現在、平均在院日数の短縮化の柱となる療養病床再編を見直す議論が進んでいることなどから、今回の45兆円にはこうした適正化効果は見込んでおらず、実質9兆円の下方修正となる。厚労省は下方修正の理由について、過去の医療給付費実績が当時の推計を下回っていることなどを挙げている。

 医療給付費のうち、生活保護や労災保険を除いた医療保険給付費は41.8兆円となる。

 これをベースに、新制度での負担の見直しに関する考え方を盛り込んだ場合、被用者保険は新制度移行当初の13年度は協会けんぽと市町村国保が600億円の負担減となる一方、健保組合は200億円、共済組合は600億円の負担増となる。ただ、70−74歳の窓口負担の見直しに伴い、25年度には現行制度を継続した場合よりも協会けんぽが1800億円、健保組合は200億円、市町村国保は1200億円の負担減となり、共済組合は800億円の負担増となる。賃金上昇率が診療報酬改定率と同じと仮定した場合、協会けんぽの保険料率は現行の9.3%から25年には12.3%に、健保組合は現行の7.6%から10.4%にそれぞれ引き上がる。(10/26MEDIFAXより)

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