24時間巡回型訪問介護を追加/市町村地域包括ケア推進事業
厚生労働省は、利用者宅を1日に複数回訪問する24時間巡回型訪問介護事業を、2010年度から実施する「市町村地域包括ケア推進事業」の項目に追加することを決めた。6月18日には民間シンクタンク「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」が主催する「24時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会」が初会合を開くなど、24時間365日体制で高齢者の在宅生活を支える体制整備が必要との声が高まっていることから、既存事業を活用して普及を図ることにした。
6月15日に開いた地域包括支援センター全国担当者会議で、概要を発表した。既存の夜間対応型訪問介護事業所などを活用しながら、集合住宅などで暮らす要介護高齢者らに、介護保険外のサービスとして実施する。実施主体は市町村で、1市町村につき1000万円程度の補助費を支給する。
地域包括ケアシステムの推進に向け、厚労省は10年度から「市町村地域包括ケア推進事業」を開始した。10年度予算で約5億5000万円を計上。24時間365日対応の高齢者向け窓口を市町村に設置し、配食サービスなど、介護保険外の福祉サービスと連携しながら要介護高齢者の生活を支援する「集合住宅等に居住する要介護高齢者等に対する総合支援事業」などを盛り込んだ。24時間巡回型訪問介護事業は、同事業を活用して実施する。
24時間巡回型訪問サービスの中核となり得る夜間対応型訪問介護事業所は、10年2月時点で稼働しているのは全国93事業所。厚労省は「普及が進んでいない」としており、今後、24時間地域巡回型訪問サービスを普及する上での課題や方法などについて検討する方針を示している。(6/16MEDIFAXより)