24時間型の新サービスは包括報酬/給付費分科会の審議報告案
厚生労働省が11月24日の社会保障審議会・介護給付費分科会に提出した審議報告案では、24時間型新サービスの報酬は出来高払いではなく定額を基本とすることなど、これまで対立意見のあった事項についても一定の方向性を示した。このほか医療関連では、訪問看護の強化とターミナルケア強化が盛り込まれた。
●24時間型サービスは月単位の定額報酬
2012年度に創設する24時間型の新サービスは「要介護度別・月単位の定額報酬」を基本とし、「通所・短期入所系サービスを利用者の選択に応じて提供することを可能とするための給付調整を行う」と明記。人員基準については、看護職の配置を常勤換算2.5人以上の配置と24時間のオンコール体制を義務付けるとした。また、特養や老健の夜勤職員が入所者の処遇に影響のない範囲で24時間型のオペレーターを兼務することも盛り込む。
●緊急時の訪問看護は支給限度額の算定対象外
訪問看護強化としては、特別管理加算と緊急時訪問看護加算を区分支給限度額の算定対象から除外するとの内容を明記。緊急時などに必要な訪問看護は、支給限度額に関係なく利用できるよう見直す。また、「入院中に訪問看護ステーションの看護師が医療機関と協働した訪問看護計画の策定や初回の訪問看護の提供を評価」も盛り込んだ。
●施設・居宅ともにターミナルケア強化
ターミナルケアについては▽訪問看護=ターミナルケア加算の算定要件の緩和▽特養=外部医師によるターミナルケア等の推進、施設における看取りの強化▽老健施設、転換型老健=ターミナルケア加算の算定要件および評価の見直し―を盛り込んだ。
審議報告案に盛り込まれたのは、このほか▽訪問介護の現行60分区分を45分区分へ見直す▽地域包括支援センターの業務負担軽減策として介護予防支援業務を居宅介護支援事業所に委託する際の1人8件の委託制限を撤廃―など。
●同一建物へのサービス提供で議論再々燃
会合では、“地域に点在する自宅”と“同一建物”とで移動コストが異なる点について、前回の会合に引き続き意見が対立した。
三上裕司委員(日本医師会常任理事)は、審議報告案の「通所系サービス事業所と同一建物に居住する利用者については、真に送迎が必要な場合を除き、通所系サービスに係る送迎分の評価の適正化を行う」との記述に言及し、訪問介護でも同様の整理を求めた。
これに対し馬袋秀男委員(民間介護事業推進委員会代表委員)は、利用者負担にも影響しやすくなると指摘し「経過を見て調査・議論を行った上で決めるべき」と主張した。
大森彌分科会長は審議報告を次回12月5日の会合で取りまとめる意向を示している。(11/25MEDIFAXより)