2012年度診療報酬改定を答申/中医協  PDF

2012年度診療報酬改定を答申/中医協

 中医協は2月10日、小宮山洋子厚生労働相に2012年度診療報酬改定を答申した。中医協総会で厚生労働省が提示した改定案を原案通り了承し、中医協の森田朗会長から藤田一枝厚労政務官に答申書と付帯意見を手渡した。厚労省は3月上旬に診療報酬改定を官報告示し、留意事項や施設基準を示した通知も出す予定。

 答申書を受け取った藤田政務官は、中医協委員に謝辞を述べてねぎらい「25年の将来像に向けた第一歩目の重要な改定になる。厚労省も通知や告示の整備を行い、制度施行に向けて万全を期していく」と述べた。さらに「付帯意見にある施行状況のチェックや残された課題も重要だ」とした。

 総会では、診療側と支払い側の代表者がそれぞれ今回の改定を総括した。安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は改定率について「震災が起きた中で、名目とはいえプラス改定を達成したことは素直に評価したい」と述べた。ただ、改定財源が薬価引き下げ分だけでは不十分との認識も示した。個別改定項目では、複数科受診の見直しで2科目の再診料に点数が付いたことを「一定程度是正された」と評価した。また基本問題小委員会での基本診療料の審議に支払い側が理解を示したことを歓迎。安達氏は「議論内容がすぐ点数に反映するというのではなく、何を評価しているのか、積み上げたらどうなるのかという基本的な考え方から協議すべき」と述べた。

 一方、白川修二委員(健保連専務理事)は「全体的には社会保障審議会の基本方針に沿って配分できた」と一定の評価をした。ただ、個別改定項目では要望も付け加えた。複数科受診については、同一疾病の場合に算定できないなど要件の厳格運用を求め、後日、中医協に検証結果を報告するよう求めた。また基本診療料の検証については「外来の在り方も含めて中医協で検討したい」と注文した。

 時間外対応加算については「有益」と評価したが、現場で機能している診療所を評価するよう要望し、検証の必要性を指摘した。一般名処方加算は次回改定で後発品の普及度を見ながら制度を続けるかどうか再検討したいとし、一般名処方の普及策も検討するよう厚労省に指示した。また7対1入院基本料の算定要件見直しなどで経過措置が盛り込まれた項目については、経過措置期間内に改善するようクギを刺した。明細書の無料発行推進では免除措置の適用をめぐり継続的な議論を求め、患者サポート体制充実加算では患者の「不満」だけでなく「不安」も除くよう機能させるべきと指摘した。

 中医協は3月の次回会合で、12年度改定の検証内容の審議を始める予定だ。(2/13MEDIFAXより)

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